太陽光発電の仕組み|導入のメリットと注意点を紹介

  • エネルギー機器
公開日:2024-03-08
更新日:2024-03-29

太陽光発電システムを導入することで、自家消費分の電気をまかなうことが可能です。また、余った電気は売ることもできるため、家計にとってメリットが多いといえます。

環境意識の高まりや自家消費を目的に、太陽光パネルを設置するご家庭も増えてきました。太陽光発電システムについて、太陽の光で電気をつくれることは知っていても、詳しい仕組みはご存知ない方も多いでしょう。

この記事では、太陽光発電の仕組みやメリット、注意点などを解説します。

1. 太陽光発電の仕組み

ウチの周りにも太陽光発電のパネルを置いている家が増えたね。

たしかに、最近よく目にするから気になるね。

でも、太陽光発電っていまいち仕組みがよくわからないから、設置したほうがいいのか悩んじゃう……

せっかくだから、太陽光発電について一緒に詳しく調べてみよう。

太陽光発電システムは、設備の内部に備わったN型・P型という2種類の半導体に光を当てることにより発電する仕組みです。プラスとマイナスの電極からなる半導体に光が当たることで、内部の電子が光エネルギーを吸収して動き、その動きにより電流が生み出されます。

つまり、太陽光パネルに光が当たることで内部の電子が動き、電流を放出し元の状態に戻るという流れを繰り返すことで、電力が生み出されるのです。太陽光発電を行うためには、太陽電池モジュールやパワーコンディショナー・分電盤などの機器が必要になります。

太陽電池モジュールは一般的にソーラーパネルと呼ばれており、住宅の屋根などに設置されているケースが多いでしょう。

パワーコンディショナーは、太陽光発電により生み出された電気を家庭で使えるように変換するための装置です。太陽光発電で得られる電気は直流であるため、家庭で使用するためにはパワーコンディショナーを通じ交流の電気に変換する必要があります。

そして、分電盤とはパワーコンディショナーで変換した電気を家庭のコンセントに送る役割を担う機器のことです。上記のほかにも、太陽電池モジュールを設置するための架台や発電状況を確認するためのモニターなどが必要になるため、設置場所などに応じ必要な機器をそろえましょう。

太陽光発電システムを導入すれば、ご家庭で使用する電力を賄うことにつながり、光熱費の削減や災害時の備えとなります。
再生可能エネルギーであるため、長く使い続けるほど電気代を抑えることができ、また環境への負荷も減らせるので得られるメリットは大きいといえるでしょう。

2.住宅用太陽光パネルの発電量はどれぐらい?

住宅用の太陽光パネルの設置を検討する際、どれくらいの電気を生み出せるのか気になる方も多いでしょう。ここでは、年間の平均的な発電量や具体的なシミュレーションを解説します。

年間の平均的な発電量

環境省が公表する「令和元年度 再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」によれば、日本における年間の平均的な発電量は、太陽光発電の容量1kWにつき「1,215kW」です。

さらに、経済産業省資源エネルギー庁が公表する「第74回 調達価格等算定委員会配布資料 太陽光発電について」の資料によれば、太陽光発電により得られた電気のうち、売電される割合は平均で「68.8%(2022年)」と公表されています。

出典:環境省「令和元年度 再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」
出典:経済産業省資源エネルギー庁「第74回 調達価格等算定委員会配布資料 太陽光発電について」

具体的な発電量をシミュレーション

仮に、容量8kWの太陽光パネルを設置し年間で9,720kW(1,215kW×8)を発電したとします。環境省が2021年10月に公表した「令和2年度 家庭部門のCO₂排出実態統計調査結果の概要(確報値)」によれば、1世帯あたりの電気の消費量は年間で4,258kWとなるため、太陽光パネルで年間使用する電気を十分に賄えることが分かります。

余った電気は売電し、収入を得ることも可能でしょう。ただし、あくまでも試算ですので、実際には設置する地域や立地、太陽光パネルの性能などに発電量が左右される点に注意が必要です。

出典:環境省「令和2年度 家庭部門のCO₂排出実態統計調査結果の概要(確報値)」     

3.太陽光パネルを設置するメリット

太陽光パネルを設置するメリットには、光熱費の削減や災害時の使用、余った電気を売却できる点などが挙げられます。それぞれのメリットについて解説します。

光熱費の削減につながる

太陽光パネルを設置すれば、自宅で電気を生み出せます。そのため、発電した分の電気を電力会社から購入せずに済むため、光熱費の削減につながるでしょう。また、設置したモニターにより常に発電量や消費電力量をチェックできるので、節電意識も高まるはずです。

蓄電池があれば、停電の際に非常用電源に役立てられますし、太陽光発電システムと組み合わせれば、ご家庭で電気を「つくる・ためる・使う」仕組みを整えられます。ニチガスでは、トライブリッド蓄電システムをご提供しております。また、ニチガスが提携している蓄電池メーカーのPowerX社では、各営業拠点に蓄電池を設置しており、営業車両の充電などに活用しています。

住宅の省エネ化を進めるには、使用する住宅設備の見直しを図ることも大切です。ガスと電気の利点を組み合わせたハイブリッド給湯器を設置すれば、ガス給湯器とヒートポンプ給湯器により効率良くお湯をつくることができます。水回り設備は毎日使うため、省エネにつながるものを導入していくことも検討してみましょう。

災害時や停電時に使用できる

ご自宅に太陽光パネルを設置することで、災害時や停電時     に自立運転の専用コンセントから電気を供給できます。日中に太陽光パネルで発電した電気をご自宅の家電製品や照明などに使用でき、いざというときの備えとして役立ちます。

余った電気を売却できる

太陽光パネルで発電した電気は、モニターを設置しておけば発電量や消費電力量を確認できるため、余った電気を電力会社に売却することも可能です。売電により収入を得られることで、家計負担の軽減につなげられます。

4.太陽光パネルを設置するデメリット

太陽光パネルを設置するメリットは数多くありますが、いくつか気をつけておきたいデメリットもあります。どのような点に注意をすべきか見てみましょう。

導入やメンテナンスに一定のコストがかかる

太陽光パネルを設置するためには、初期費用がかかるだけでなく、ランニングコストやメンテナンス     費用もかかります。一般的に、パワーコンディショナーは15年前後での交換が必要であり、定期点検も行わなければなりません。

ただし、太陽光パネルを設置することで毎月の光熱費が節約できたり、余った電気を売却できたりするメリットがあるので、使用状況などを踏まえトータルで考えることが大事です。

発電量が天候に左右される

太陽光発電という性質上、悪天候の場合にはどうしても発電量が落ちてしまいます。また、真夏の時期には熱の影響で発電効率が落ちることもあるので注意が必要です。          

屋根の向きや角度などにより発電量が変わる

太陽光発電は屋根の向きや角度や面積、日当たり条件により発電量が変わります。建物の日陰になる部分がないか、周辺環境も含め事前によく調べましょう。

築年数の多い住宅では設置できないこともある

太陽光パネルは非常に重く、屋根などに設置する場合、建物に大きな負荷がかかります。築年数の長い古い住宅は、耐震性が低い可能性があるため、場合によっては太陽光パネルが設置できないこともあるでしょう。

設置を検討するときは、太陽光パネルの重量に家全体が耐えられるのかを専門家に相談することが大事です。

太陽光発電はメリットも多いけど、気をつけないといけない部分もあるんだね。

ようは、どれくらい電気を使うかが大事なんだと思うよ。

でも、余った電気は売ることもできるみたい。

一度詳しい会社に相談をして、シミュレーションしてもらうとわかりやすいかもね。

5.まとめ:太陽光発電のメリットを知り、どう使えるかを考えよう

太陽光発電システムを導入すれば、毎月の光熱費を節約できたり、余った電気を電力会社に売却することで収入を得られたりします。また、災害発生時などでも太陽光パネルから電気を供給すれば、家電製品などをそのまま使うことも可能です。

一方で、導入や維持管理のために一定のコストが必要になるため、トータルでかかる費用を事前にシミュレーションしましょう。住宅の立地や日当たりによっては、予定した発電量を十分に得られない場合もあるので、施工会社とよく相談をしたうえで、家族でもしっかり話し合い、設置するかどうかを考えましょう。

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