電気代を安くする方法は?|暖房や家電製品の節電方法などの豆知識を紹介
- 節約術
日々の暮らしに欠かせないのが、テレビやエアコン、パソコンといった家電製品です。しかし、便利な家電製品のなかには消費電力が大きなものもあり、電気代が気になってしまうこともあるでしょう。
電気代を安くする方法として、節電だけでなく家電製品の買い替えや節電グッズの活用など、様々なものが考えられます。この記事では、快適な暮らしを維持したまま、電気代を安く抑えるにはどうすればよいかを解説します。
目次
ちょっと、今月の請求書見て。
うわっ、高いね。こんなに使っていたかなぁ。
私も何に使ったのか、あまり記憶がないんだよね。
じゃあ、電気代を安くする方法を一緒に調べてみようよ。
1.電気代を安くする方法①|家電製品の節電に取り組む
電気代を安くするためには、まず消費電力の大きい家電製品の節電から考えてみましょう。ここでは、大型の家電製品や日常的によく使用する家電の節電方法について解説します。
エアコン
エアコンは電源を入れたときが最も電力を消費します。そのため、夏や冬など、外の気温とエアコンの設定温度に大きな差がある時期に電源のオン・オフを繰り返し行うと、電気代が高くなりがちです。
短時間の外出であれば、エアコンの電源を切るよりも、そのまま稼働させておいたほうが結果的に電気代を抑えられるケースがあるのです。また、エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも、電気代の節約につながる場合があります。
資源エネルギー庁が公表しているデータによれば、屋外の気温が31℃のときに2.2kWのエアコンの冷房設定温度を27℃から1℃上げて1日9時間使用した場合、年間で約940円の電気代の節約につながるとされています。
暖房を使う場合はファンヒーターと併用することも考えてみましょう。ファンヒーターだけを長時間稼働させるとエアコンよりも電気代は高くなりがちですが、ファンヒーターで室温を上げたタイミングでエアコンに切り替えれば、トータルの電気代は安くなるはずです。
出典:資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」
冷蔵庫
冷蔵庫において注意しておきたい点は、冷蔵室内に食材を詰め込み過ぎないことです。庫内の冷気がしっかりと循環するように食材を整理し、熱いものは冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしましょう。庫内の冷気が逃げてしまえば、それだけ電気代がかかるので、扉の開閉をできるだけ減らすことでも電気代の節約につながります。
また、冷蔵庫の設定温度を季節によって適切な温度に変えることも大事です。冬は設定温度を高めに、夏は低くするなどして消費電力を抑えましょう。
パソコン
在宅ワークの普及によって、自宅でもパソコンを使う機会が増えつつありますが、使用していないときは、こまめに電源を切るようにしましょう。少し休憩をしてから再びパソコンを使う場合は、スリープモードを活用すると節電につながります。
一定時間パソコンを操作していないと自動的に画像が表示されるスクリーンセーバーを設定している場合は無駄な電気を消費してしまうため、設定を見直しましょう。日頃の使用頻度を踏まえたうえで、最適な設定に変えることが大切です。
照明
家の中で過ごす時間が長い方は、照明を見直すことも必要です。こまめに照明を消すことは基本ですが、家族と一緒にいるときはリビングなどの一つの空間で過ごしてみると電気代の節約につながるでしょう。
また、白熱電球をLEDに切り替えることでも消費電力が抑えられます。LEDは白熱電球の20%程度の消費電力で済み、耐用期間も長いので無理なく電気代の節約につなげることができます。
2.電気代を安くする方法②|家電製品の買い替えも検討しよう
一般的に家電製品は、古いものはエネルギー効率が落ちて消費電力が大きくなります。最近は高性能な省エネ家電も多く、新しいもののほうが消費電力を抑えられる傾向が見られます。省エネ家電に買い替えることによって、同じような使い方をしたとしても電気代を抑えられるでしょう。
省エネ基準を満たしている家電製品は、「省エネルギーラベル」の表示がなされているので、買い替えのときの参考にしてみましょう。特に冷蔵庫などの大型家電や毎日使う照明器具などを買い替えれば、無理なく節電効果を高められるはずです。
住宅の省エネ化を進めるには、使用する住宅設備の見直しを図ることも大切です。ガスと電気の利点を組み合わせたハイブリッド給湯器を設置すれば、ガス給湯器とヒートポンプ給湯器によって効率良くお湯をつくることができます。水回り設備は毎日使うものであるため、省エネにつながるものを導入していくことも検討してみましょう。
3.電気代を安くする方法③|節電アイテムを活用する
電気代を安く抑えるには、暮らしのなかに節電につながるアイテムを取り入れるのも一つの方法です。ここでは、3つの節電アイテムを紹介します。
スイッチ付き電源タップ
身近な節電アイテムとして、スイッチ付き電源タップが挙げられます。家電製品は、使っていないときもわずかに電力を消費しており、これを待機電力といいます。
しかし、わずかとはいえ積み重なれば電気代がかさむため、節電においては待機電力を減らすことも重要です。スイッチ付き電源タップならコンセントをつないでいても、タップのスイッチをオフにすれば、家電製品をコンセントから抜いたときと同じ状態になるので待機電力が生じることを防げます。
コンセントを毎日こまめに抜き差しするのは面倒に感じても、スイッチを操作するだけなら手軽なので継続できるでしょう。特に家電製品を多く使用するリビングやキッチンなどにスイッチ付き電源タップを置いておくと、節電効果を高められます。
圧力鍋
調理に時間のかかる煮込み料理などを時短で作れるアイテムとして注目されている圧力鍋ですが、実は節電にもつながります。
IHクッキングヒーターを使用しているなら、調理時間が短くなることによって電気代の節約につながるでしょう。また、キッチン回りは調理の熱がこもりやすい空間ですが、手早く調理できることで室温の上昇を防ぎ、冷房代の節約にもなります。
圧力鍋を使うと短時間で具材を柔らかく調理できるため、小さなお子さまや高齢者の方がいるご家庭にとって便利なアイテムといえます。
冷蔵庫カーテン
家族の人数が多く、冷蔵庫の開閉回数が多いというご家庭であれば、冷蔵庫カーテンを使ってみるのもよいでしょう。庫内にカーテンを取り付けることで、扉を開けたときの温度上昇を抑えられるので、電気代の節約につながります。
冷蔵庫は庫内の温度が上昇すると、設定温度まで冷やそうとして多くの電気を消費してしまいます。冷蔵庫カーテンはホームセンターや100円ショップなどで手軽に購入できるため、すぐに試すことが可能です。
ただし、冷蔵庫カーテンを取り付けることによって庫内のセンサーが誤作動してしまうケースや、食材を取り出すのに時間がかかり、かえって庫内の温度を上げてしまうというケースもあります。実際に導入し、どの程度の効果があるかをよく見極めましょう。
4.電気代を安くする方法④|生活の中での一工夫も?
電気代を安くできるといっても、あまりに手間のかかる作業は実践しづらいものです。日々の暮らしのなかで少しの工夫で節電につなげられる方法を紹介します。
家電を併用する
例えば、エアコンを使うときに扇風機やサーキュレーターを併用し、空気の循環を効率化させれば冷暖房の効果を高められます。
冷たい空気は下に、暖かい空気は上に流れやすいので、エアコン単体では部屋全体の空調を整えるのに時間がかかってしまいがちです。特に外気との気温差が激しい夏や冬の季節は、エアコンの設定温度に近づけるために多くの電気を消費してしまいます。
扇風機やサーキュレーターを上手に活用すれば、空気を循環でき、エアコンのみの場合と比べて短時間で部屋の空調を整えられるでしょう。節電を考えるときは、複数の家電製品を組み合わせて節電効果を高められないかを検討してみてください。
断熱対策に取り組む
住宅の断熱対策に取り組むことも、冷暖房の効果を高めるのに役立ちます。しかし、住宅そのものの断熱性を高めるにはリフォーム工事などが必要になりますが、手軽に取り組める対策もあります。
比較的手軽に取り組める断熱対策として、窓などの開口部に断熱シートを貼ったり、遮光カーテンを活用したりすることが挙げられます。断熱シートを貼るだけであれば自分でも行えるため、手間や費用をかけずに取り組めるはずです。
特に窓が多い住宅の場合は、断熱シートや遮光カーテンを活用するだけでも一定の効果が期待できます。日当たりを調整することにもつながるので、より快適な暮らしを実現できるでしょう。
冷暖房効率を高める
住宅の断熱性を高めるもう一つの方法として、ハニカムスクリーンを取り入れることが挙げられます。ハニカムスクリーンとは、スクリーン自体にハニカム(ハチの巣)構造の空気層があるものを指します。
窓と室内の間に空気の層をつくることによって保温性を高められるため、冷暖房の効率を高めて夏や冬でも快適に過ごせる住環境を整えられるでしょう。スクリーンの開閉を直接行えるコードレス式のものもあるので、誰でも簡単に開け閉めができます。
また、住宅の購入やリフォーム工事を行う予定であれば、窓をペアガラスにしたり二重サッシにしたりするのも断熱性を高めることにつながります。サンシェード(日除け)を設置すれば、室内に入ってくる光量を調整できるため、室温の上昇を防ぎやすくなります。
家電製品の使い方を工夫する
ドライヤーや食洗器などの家電製品は便利なアイテムですが、長時間使用すると多くの電気を消費してしまうため、注意が必要な部分もあります。大風量のドライヤーもありますが、短時間で髪を乾かせるということはその分だけ多くの電気を消費しているということです。
そのため、入浴後は髪をタオルでよく拭いてから、仕上げの段階でドライヤーを使うとよいでしょう。また、食洗器は洗浄から乾燥まで行うと多くの電気を使うので、食器の洗浄後に食洗器の扉を開け、余熱だけで食器を乾燥させるようにすれば消費電力を抑えられます。
普段からよく使用する家電製品の節電は、家族全員で協力することで節電効果を高められるはずです。ライフスタイルに応じて、どの部分が節電できるのかを家族で話し合ってみましょう。
5.電気代を安くする方法⑤|電気代が安い夜の時間帯を活用する
家電製品の電気の使用量を減らすと同時に、電気を安く購入する方法についても検討することが大事です。家庭用蓄電池を導入して、電気代が比較的安い時間帯(※契約メニューによります)に電気をため、日中に使うようにすれば電気代の節約につながります。
夜間の電気代が割安のプランは、日中外出することが多い共働き世帯の方や学校に通われているお子さまをお持ちの方におすすめと言えます。
例えば、ニチガスでは再生可能エネルギー実質100%、CO₂排出量ゼロの「でガ割007」という電気とガスのセットプランを提供しています。割安な料金となる時間帯(毎日0~7時)を長めに設定しているので、上記の方におすすめです。
でガ割007では、昼間の定額料金として120kWhが3,875円、120kWhを超え250kWhまでは1kWhあたり36.35円、250kWhを超える場合は1kWhあたり39.87円となっています。一方、夜間は1kWhあたり35.60円となっており、夜間の電力消費量が多いご家庭にとってお得なプランとなっています。
※2024年4月1日現在の数字です。
蓄電池やEV(電気自動車)で自家充電をしたい方にもおすすめですが、EV(電気自動車)などを所有していないご家庭でも、月の使用量が155kWh(夜間率23%)以上の方であれば、電気代の節約につながるでしょう。住宅全体の電気の使い方や蓄電について関心がある場合、「でガ割007」の使用も検討してみてください。
太陽光発電システムを導入すれば、ご家庭で使用する電力をまかなうことにつながり、光熱費の削減や災害時の備えとなります。再生可能エネルギーであるため、長く使い続けるほど得られるメリットは大きいといえるでしょう。太陽光発電について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
蓄電池があれば、停電の際に非常用電源として役立てられますし、太陽光発電システムと組み合わせれば、ご家庭で電気を「つくる・ためる・使う」仕組みを整えられます。
ニチガスでは、トライブリッド蓄電システムをご提供しております。
「車から家へ」を意味するV2Hという言葉は、EV(電気自動車)に蓄えた電気を家庭用の電気として活用することを指します。
EV(電気自動車)だけで見たときはガソリン車と比べて購入価格が高めに感じられますが、ご家庭の電気代を抑える一つの方法として見たときには、家計にとってプラスになる部分も大きいといえるでしょう。
一通り調べてみると、電気を結構ムダに使っていたのが分かったね。
古い家電とかは、今度省エネ家電に買い替えよう。
そうだね。あと家電の使い方も工夫してみないといけないね。
一つひとつはちょっとしたことだけど、地道に変えていくことが大事なんだと分かったよ。
6.まとめ:電気代を抑えるために、使用状況や電力会社との契約を見直そう
電気代を安くする方法として、家電製品を買い替えたり、電気の使用状況をチェックしたりするなど様々な方法が挙げられます。また、便利な節電グッズを活用することで、日々の暮らしで負担なく、節電効果を高めていけるでしょう。
個々の家電製品の使い方を見直すだけでなく、住宅全体の消費電力を抑えるにはどうすればよいかを考えるのも大切です。例えば、家庭用蓄電池を導入すれば、節電につながるだけでなく災害などの非常時の備えにもなります。
継続的に節電を行うには家族の協力も不可欠なので、しっかりとコミュニケーションを取りながら節電の取り組みを進めてみましょう。