環境への取り組み

自然資本への取り組み方針

当社グループの事業活動は自然を重要な資本として活用しており、その活動を通じて自然環境に影響を与えています。地域社会に貢献しながら持続的に企業成長していくためには、事業のあり方を見直し、環境保全と収益拡大を両立する形へと変革することが必要と考えています。まずは事業における自然関連リスクと機会の特定・分析を進め、環境課題に対する取り組みを展開していきます。

TNFDにもとづく開示

当社は、自然資本関連のリスクや取り組みを、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の枠組みにもとづき4つの項目に沿って開示します。

開示項目
当社の開示内容
ガバナンス
サステナビリティ推進体制
戦略
対応方針、取り組みの対象とする事業活動・事業エリア
リスクと影響の管理
中長期の成長に影響する重要なリスク・機会、対応策
指標と目標
重要なリスク・機会に対応するための具体的な取り組み

ガバナンス

取締役会の諮問機関であり、社外役員が過半数を占める指名報酬・環境等委員会で、中長期戦略の要となる環境に関する議題を当社の重要な検討事項として取り扱い、客観的な視点から議論しています。本委員会はサステナビリティ関連のリスク・機会の評価、取り組み方針について議論し、年に1回以上、取締役会に報告・提案し、取締役会で方針を決定しています。

戦略

戦略の項目では、対象とする事業活動・事業エリアと自然資本に関する当社の対応方針についてお伝えします。当社は、お客さまとの接点という強みと小売事業で培った技術や経験を活かすために、当社のオペレーションおよび営業エリアでの取り組みを推進していきます。また、事業と接点のある自然資本の中で、気候変動への対応に最も注力しながら、リスクとなりうる水資源、土地、廃棄物についても取り組みを進める方針です。

対象とする事業活動

エネルギー供給に係るバリューチェーンにおいて、当社は海外から輸入されたエネルギーを国内で調達し、お客さまに販売するまでのオペレーションを担っていることから、原料調達からお客さま先での使用までを対象の事業活動としています。

対象とする事業エリア

B to Cのエネルギー小売会社である当社にとってお客さまとの接点が重要であることから、対象とする事業エリアは、当社グループがお客さまにガスと電気を提供している関東1都6県に山梨県、静岡県、長野県を加えた地域とします。

営業エリアの中で、世界資源研究所が開示するAqueduct Water Risk Atlasを用いて、水リスクに対する脆弱性が特に高いと認められる地域は含まれていません。

当社グループ事業と自然資本との依存・影響の関係

当社グループ事業に影響を及ぼすリスクや機会を把握するために、当社グループ事業と自然資本との関係について依存と影響の観点から分析します。

リスクと影響の管理

本項目では、当社グループが大きく依存し影響を与える自然資本である水資源、土地、廃棄物について、リスクの内容と財務的な影響度を特定し、そのリスクへの取り組み内容を定めています。

区分
ドライバー
内容
財務的影響度
対応策
リスク
規制
技術

市場

評判

物理(急)

物理(慢)
・環境負荷低減に向けた設備投資の増加
・水資源の再利用コスト増加
・ガスメーターなどの廃棄物処理コスト増加
・お客さまの節水意識向上による給湯需要の減少に伴うガス需要の減少
・ガス工事による地域社会からの信頼喪失
・有害物質の流出による企業イメージ毀損
・台風や洪水に伴う拠点の操業停止
・断水、渇水による売上機会の喪失
・土壌汚染によるガス導管の劣化
・河川水位変動による供給設備の補強、移設










協業先、投資先の模索
事業所の運営見直し、利用量の直接的抑制
電気セット契約の提案

地域社会との交流、社員や委託先への教育
水の再利用、レジリエンスの高い機器の普及
環境に配慮した設備工事
機会
資源効率
サービス

市場
・使用済み製品の再利用による廃棄コスト削減
・分散型エネルギーシステムの需要増加
・取水量削減に貢献する節水機器需要の増加
・土地、既存営業拠点の有効活用
・業界内での高効率プラットフォーム需要の増加



保安機器の再利用品対応を推進
接点業務や展示会を通じた普及促進
プラットフォーム事業の推進

※LEAPアプローチを参考に、以下のステップで当社グループのサプライチェーンの重点分野における生物多様性に関するリスクを特定し、今後の取り組みを設定しました。
Locate(発見) :当社の事業における自然との接点を整理し、リスクの高い地域を特定
Evaluate(診断) :自然への依存と影響を整理し、関わりの深い項目を特定
Assess(評価) :当社の重要なリスクを分析
Prepare(準備) :今後の取り組みを設定

指標と目標

指標と目標の項目では、重要リスクである水資源、土地、廃棄物に関して当社グループの取り組みを具体的にお伝えします。リスクや取り組みの進捗を管理するための指標と目標については、今後、定量的な分析を進めた後に設定することを検討しています。

水資源に関する取り組み

・水の再利用
夢の絆・川崎工場のガスボンベ検査施設では、水を最も使用する耐圧検査の工程において、水を再利用することで水使用量の削減に取り組んでいます。
・ペーパーレスの取り組み
製造時に水を消費する紙の利用削減を目指し、オペレーションのデジタル化を推進してペーパーレス化を進めています。会議資料(紙)の配布廃止、各種申込書や検針票の電子化、電子契約の導入などを進めています。

エネルギー使用量の多い拠点の水利用
取水量(千m3)
24/3期
25/3期
充填基地
14.3
11.6
本社・主要拠点
4.6
4.7
  1. 集計範囲:
    充填基地・・・・・・エナジー宇宙(夢の絆・川崎、千葉工場、埼玉工場)
    本社、主要拠点・・・日本瓦斯(本社、町田営業所)、エナジー宇宙(取手事業所、越谷事業所)
    集計対象事業所の25/3期電力使用量は電力総使用量の63%であり、重要な拠点は集計対象としてカバーできています。

土地・土壌に関する取り組み(導管工事)

・環境に配慮した工事
導管埋設工事は地中の生態系や周辺環境に影響を与える可能性があります。当社グループは、従来よりも浅くガス導管を埋設する浅層埋設の手法や非開削工法(推進工法・シールド工法)を導入し、掘削土・アスファルト廃材の発生の抑制、および埋め戻しのための砂の新規採取を軽減し、土壌影響の低減を図っています。

・地域とのエンゲージメント
導管工事を行うにあたり、事前に周辺住民や店舗の皆さまに詳細をお伝えし、地域に与える影響を最小限に抑えています。工事の影響の大きいエリアについては、地域住民と対話した上で、夜間工事への変更、工事時期を商店街の閑散期に合わせるなどの対応を行っています。更に、自治体や他事業者との連携によって工程を最適化し、コスト削減と環境負荷の低減を同時に実現しています。

廃棄物に関する取り組み

・ガスボンベ・ガスメーターの長期利用
当社グループは夢の絆・川崎工場に自社のガスボンベ検査施設を保有することで検査コストを低減しています。製造から20年以上経過したLPガスボンベは、耐圧検査の頻度が5~6年毎→2年毎へと短縮されます。夢の絆で耐圧検査を実施することにより、低コストでの運用が可能となり、ボンベ利用の長期化に繋がっています。結果として廃棄物量を削減しています。また、当社グループがソラコム社と共同で開発したスペース蛍は既存ガスメーターへの外付けにより、メーター取り替えなしに自動検針、保安監視、遠隔でのガス開閉栓などの機能を追加することができます。これらの取り組みを他社とシェアリングすることで、業界全体の環境負荷軽減を目指します。

・廃棄物回収・リサイクル
お客さまから回収した家電やガス機器、工事に伴い発生する産業廃棄物は、適正な処理ネットワークを持つ外部の専門会社に委託し適切に処理しています。2025年3月期は、産業廃棄物の98%がリサイクルされ、残りは最終処分されていることを電子データで確認しています。

 
23/3期
24/3期
25/3期
産業廃棄物(t)
37,163
37,922
25,158
リサイクル率(%)※
99.3
99.3
98.0
  1. 日本瓦斯、日本瓦斯工事の産業廃棄物(23/3期は20,627t、24/3期は21,082t、25/3期は25,095t)に対するリサイクル率を集計